歯の矯正は長い間行われてきており、その効果も認められているにもかかわらず、日本ではアメリカのように、歯並びが悪ければ矯正するということが一般的になっていません。それは歯並びが悪いことによって起こるデメリットが広く知られていないことが原因です。
歯並びが悪いことで起こりうる悪影響で、まず思いつくのは歯磨きがしにくいということです。板塀を磨くことを考えればわかると思いますが、きれいに並んでいる板なら手早くきれいに磨くことができます。しかしバラバラに並んでいて、ところによっては重なり合ってしまっているようだと間はいってしまった汚れは落としにくいものです。
歯も同じでばらつきや重なりがあると、その部分に残ったカスは歯ブラシでとりにくくて、歯垢・歯石になり虫歯や歯周病の原因になります。
噛み合わせが悪いとよく噛んで食べることができません。充分に噛まないことで消化吸収が悪くなり消化器官に障害を起こします。咀嚼が足りないため満腹信号が脳に送られるのが遅れて余分に食べてしまい肥満体質になる可能性が大きくなります。
また、舌を誘導する歯の位置が正しくないとキチンとした発音ができません。噛み合わせの悪さが頬から肩、肩から背中、脊椎から全身へと悪影響を及ぼして肩こりや腰痛、頭痛の要因になります。
長じてくるに従って、歯並びの悪さにコンプレックスを感じ、歯を見せて大笑いできなくなったり、人前に出るのを嫌がったりすることになりかねません。
体と心を健全に保つためにも歯並びの矯正は行った方が良いのです。
歯並びの矯正は基本的に永久歯が生えそろった8〜10歳の頃から行います。矯正が必要になるのは、出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突)、八重歯・乱ぐい歯、開咬(奥歯はかみ合うけれど前歯が合わなくてかみ切ることができない)などです。矯正は歯の成長を良い方向に導いてやる治療法なので、いずれの場合も長期にわたって治療を受けることになります。
矯正治療は長期にわたるため金銭的な負担も大きいことは確かです。そのため、大人になって余裕ができてから矯正を行う人も増えています。
就寝時にはめることで徐々に歯並びを良くしていくテンプレート療法や歯の裏側に器具をつけるリンガル矯正、透明なマウスピースを使うインビザライン、インプラントを固定軸に使って確実に短い期間で矯正できるインプラント矯正など、目立たない短期間で済むといった矯正技術の進歩もその流れを後押ししています。
矯正には、マウスピースやテンプレートのように自分で簡単に取り外しができるものもありますが、基本的には専用器具をつけたままにしているため歯のお手入れが大変です。器具をつけている分だけ歯垢がたまりやすいのでマウスケアはより丁寧に行いましょう。
通常の歯ブラシによるブラッシングの他に、歯間ブラシやワンタフトを合わせて使うようにすると効果的です。
歯並びが悪いときは歯列矯正する。子どもたちの発育のため、そして自分自身の健康のためにも大切なことです。詳しい内容について知りたい場合は、どうぞ当院まで。
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