「大人になると歯が丈夫になるから虫歯になりにくいんだ」、こんなことをまともに信じている人がいますが、それは大きな間違いです。成人の90%以上の人が虫歯を持っていて、年齢を重ねるに従って虫歯の本数が増えているという調査結果があります。虫歯は子どものだけのものではありません。
虫歯の原因は細菌です。口の中にいる細菌がつくり出す酸が歯の表面のエナメル質を融かして虫歯にしてしまいます。この時、細菌の餌になっているが糖質です。これは子どもも大人も変わりありません。しかし、大人の歯は子どもに比べて隙間が多いため歯ブラシの届きにくい場所が増えてしまっています。そこに虫歯の原因菌の塊のプラーク=歯垢がたまって虫歯になりやすいのです。
年を重ねると誰でも歯茎が沈んでいきます。歯周病にかかっている人はさらにその度合いがすすんでいますから歯垢がたまりやすくなっているのです。毎日、食後に歯磨きをしているのに虫歯になってしまったのは歯と歯の隙間や奥歯、歯と歯茎の間の歯周ポケットを意識してブラッシングを行わなかったことも原因のひとつです。
歯ブラシだけではなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用するようにしましょう。口内洗浄液(マウスウォッシュ)も有効です。
食後30分以内にブラッシングして細菌に酸を作る暇を与えないことも肝心です。食後すぐだと歯の表面に残っている食べかすでエナメル質を削ってしまうことがありますから10分ほどたってからがベストだという意見もあります。
寝る前の歯ブラシはより念入りに。歯間ブラシやデンタルフロスを使うのはこのタイミングがいいでしょう。歯磨き粉はフッ素化合物配合のものを選ぶとより効果的です。
「虫歯ずーっと痛かったんだけどさ、痛み止めを使っているうちに治っちゃったんだよ。自然治癒力ってやつかな!?」 こんな場合は要注意です。
初期段階の虫歯の場合、唾液などの作用で再石灰化が起こり治癒することはありますが、痛みを伴うほど進行している虫歯が自然に治るなんてことはまずありません。虫歯が進行して神経までもが死んでしまったため痛みがなくなっただけです。抜くほかに治療のしようがないほど症状が進んでいる可能性があります。
子どもが虫歯になったとき、「乳歯はそのうち抜けるから放っておいてもいい」 これもとんでもない勘違いです。
乳歯には永久歯を正しい場所に導くという大切な役割があります。乳歯が重傷の虫歯にかかるとまだ生えていない永久歯まで虫歯になってしまうことがあります。
いくつになっても虫歯の予防は大切です。正しい歯磨きの方法は歯科医院で指導することができます。虫歯を自覚していないとしても、磨き残しでできた頑固な歯垢や歯石をとってもらうために定期的に歯医者にて診断を受けましょう。
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