その昔、日本人平均寿命は40歳前後でした。親知らずが生えてくるのは18歳から40歳くらい、その頃には親元を離れて独立していて親はそのことを知らないから「親知らず」という説と、ストレートに親知らずが生えてくる頃にはすでに親は亡くなっているからという説があります。
いずれにしても大人になってから生えてくる歯という意味は変わりません。親知らずとは18歳以上になって歯が生えそろった後に出てくる歯のこと、普通は奥歯の更に奥に生えてくる8番目の臼歯のことをいいます。
親知らず自体は生えてこようと生えてこなかろうとなんの問題もありません。通常の歯が生えそろってもはや場所が残っていないところに無理矢理割り込んでくる場合が問題なのです。
そ歯茎を突き破って真横から生えてきたり、斜めに生えてきたりします。そのために歯茎が腫れたり出血したりして痛みを引き起こしたり、化膿したり、歯並びを悪くして噛み合わせに悪影響が出るようになったりします。
また親知らずは他の歯よりも弱い性質を持っている上、ケアしにくい場所に生えてきますから虫歯になりやすいということもあります。
では、親知らずが生えてきたらすべて抜いてしまう方がいいのでしょうか。それは一概にそうともいえません。基本的には歯として役に立つのであれば抜く必要ありません。親知らずであっても噛み合わせる相手がいれば物をかみ砕くことができますから役に立っているといえます。
噛み合わせる相手がいなくても、まともに生えてきて、それによる痛みや腫れが持続しないときは抜く必要が無い場合があります。他に悪い影響を与えないということはなんらかの役に立っているのかも知れませんし、将来ブリッジの支えとして使用できる可能性があるからです。
逆に、そのせいで歯茎や頬の内側を傷つけ腫れや出血が繰り返されるとき、食べかすがはさまりやすいのに歯磨きなどのケアが難しく、度々治療が必要になる場合などは抜いてしまう方がいいでしょう。
親知らずは他の歯よりも抜きにくいおかしな形をしていることがよくあります。そのため抜歯後も腫れや痛みが通常の抜歯よりも長く続く場合があります。人によっては発熱を伴ったりもします。
また、親知らずを抜いた後の穴が、かさぶたの役割をする血餅できちんと覆われないため歯茎が回復できず、骨の一部が露出してしまうドライソケットという症状が起きることも希にあります。重傷の骨炎を引き起こす原因にもなりますので、親知らずを抜いた後は医師の指示に従って養生してください。
抜くか抜かないかは年齢を重ねていく上で判断がかわってきます。親知らずを抜かなかった人も定期検診を受けることを習慣づけましょう。
このように、親知らずは人によって抜歯の必要性が違います。今のままでも問題がないのであれば、そのまま様子を見てみましょう。しかし腫れや痛みが出始めたら生活に支障をきたしかねません。そんば場合は、当院での治療を是非お受けください。
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